もしもの時、遺された家族がまず困るのが「どこに何があるか分からない」ことです。手続きに必要な書類は驚くほど多く、しかも保管場所を知らなければ探しようがありません。ここでは、家族が探すことになる重要書類を種類別に整理し、制度変更の最新事情、そして「在りか」を安全に伝えておく工夫までをまとめます。
亡くなった後の手続きは、銀行・保険・年金・不動産・相続と多岐にわたり、その一つひとつで書類の提示や添付を求められます。ところが本人にとっては当たり前でも、どの引き出しに、どの金庫に、どのフォルダに何をしまったかは、家族にはまったく分かりません。書類そのものより、「どこにあるか分からない」ことが、遺された家族を何日も足止めしてしまうのです。まずは、探すことになる書類を種類別に見ていきましょう。
年金手帳は2022年4月に新規発行が廃止され、新たに加入する人にはA4・1枚の「基礎年金番号通知書」が交付されるようになりました。すでに年金手帳をお持ちの方は、基礎年金番号を明らかにする書類として引き続き使えます。手続きでは、基礎年金番号がわかる書類(ねんきん定期便なども可)が役立ちます。
健康保険証は2024年12月2日以降、新規発行が行われなくなり、マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」を基本とする仕組みへ移行しました。マイナ保険証をお持ちでない方には「資格確認書」が交付されます。また、マイナンバーの「通知カード」は2020年5月25日に廃止されています(記載事項に変更がなければ、当面は番号確認書類として使える場合があります)。手元にある書類が古い様式のこともあるので、家族には「今どんな形で持っているか」も一言添えておくと親切です。
自筆の遺言書は、2020年7月10日に始まった法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を使って預けることもできます。制度を利用すると紛失や改ざんの心配が減り、家庭裁判所の検認も不要になります。ただし、預けたこと自体を家族が知らなければ活かせません。自宅保管・公正証書・法務局保管のいずれであっても、「遺言書がある」「どこにある」ことは必ず伝えておきましょう。
実物が見当たらなくても、あきらめる前に手がかりをたどれることがあります。銀行口座は、郵便物やスマホの取引通知から取引先の金融機関を特定できます。保険は、保険会社からの通知や口座の引き落とし履歴、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」が手がかりになります。不動産は、固定資産税の課税明細書や、市区町村で取得できる名寄帳(固定資産課税台帳)で保有分を確認できます。まずは郵便物・通帳の入出金・スマホの通知を丹念に見ることが、探し物の近道です。
紙だけではありません。ネット銀行・ネット証券・サブスク・SNSのアカウントは、通帳やカードのような「モノ」が家に残らないぶん、家族がその存在にすら気づけないことがあります。どのサービスを使っているか(IDまで。パスワードそのものは安全な形で)を整理しておくと、解約漏れや請求の見落としを防げます。
書類そのものを家族に預けるのは、盗難や紛失、見られたくない情報の扱いなど心配がつきものです。かといって在りかを黙っていれば、いざという時に家族が探せません。言守は、この「安全」と「見つけられる」を両立させます。通帳や保険証券、実印、遺言書などの保管場所を、あなたの端末(スマホ)の中で暗号化してから記録。サーバーには鍵のない暗号文しか届かないため、運営(言守)でさえ中身を読めません。この設計をゼロ知識と呼びます。生前はあなただけが見られ、もしもの時にだけ、あなたが選んだご家族へ「在りかの地図」が届きます。入力・保管はずっと無料です。
重要書類は1か所にまとめるべきですか?
盗難や災害のリスクもあるため、無理に1か所へ集める必要はありません。分散して保管しつつ、「何がどこにあるか」の在りかリストを家族に共有しておくのが現実的です。
年金手帳が見つかりません。手続きできますか?
年金手帳は2022年4月に新規発行が廃止され、基礎年金番号通知書に切り替わりました。基礎年金番号がわかる書類(ねんきん定期便など)で代替できる場合があります。詳しくは年金事務所でご確認ください。
健康保険証や通知カードがないのですが大丈夫ですか?
健康保険証は2024年12月2日以降、新規発行が停止されマイナ保険証へ移行しています。マイナ保険証がない方には資格確認書が交付されます。通知カードは2020年に廃止済みで、番号確認は主にマイナンバーカードで行います。
家族に見られたくない情報はどう残せばいいですか?
中身は伏せたまま「在りか」だけ残す方法があります。言守なら、保管場所などの情報を端末内で暗号化して預け、もしもの時にだけ、あなたが選んだご家族へ渡せます。運営も中身を読めません。