預金や不動産だけでなく、借金・保証債務などのマイナスも相続されます。財産より借金が多そうなときは「相続放棄」も選択肢です。ただし原則3か月という期限があり、うっかり預金を使うと放棄できなくなることも。落ち着いて順番に確認していきましょう。
相続と聞くと預金や不動産を思い浮かべますが、法律ではマイナスの財産も相続の対象です。プラスだけを選んで受け取ることはできず、単純に相続すれば借金も引き継ぎます。住宅ローン・カードローン・リボ払い・滞納した家賃や税金、そして連帯保証債務も対象になります。
放棄するかどうかは、プラスとマイナスのどちらが多いかで判断します。まずは全体像をつかみましょう。
信用情報の開示は、法定相続人などが郵送で申し込めます(手数料はおおむね1,300〜1,700円程度)。管理する情報が機関ごとに異なるため、正確に把握するには3機関すべてに請求するのが安心です。おおむね10日ほどで開示報告書が届きます。
相続放棄・限定承認は、自分のために相続が始まったことを知った時から原則3か月(熟慮期間)以内に、家庭裁判所へ申述します(民法915条)。申述先は、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。調査が間に合わないときは、この3か月が過ぎる前に「期間の伸長」を申し立てることで、判断する時間を延ばせる場合があります。
預金を引き出して使う、遺産を売る・処分する、といった行為をすると、法律上は相続を受け入れたとみなされ(法定単純承認)、その後は放棄できなくなることがあります。放棄を検討している間は、故人の財産に手をつけないのが原則です。
相続放棄でいちばん困るのは、「借金があること自体を、遺された家族が知らない」ことです。3か月という短い期限の中で、督促状が届いてはじめて借入に気づく――そんなご家族が少なくありません。だからこそ、ローンや保証、引き落としの情報も、生前にそっと残しておけると安心です。言守なら、口座や借入・保証の情報も、あなたのスマホの中で暗号化してから保管します。サーバーに残るのは中身を読めない暗号文だけで、運営でさえのぞけないゼロ知識設計です。ふだんは本人だけが見られ、もしもの時にだけ、あなたが選んだご家族へ届きます。だから、ご家族が知らないまま期限を過ぎてしまう心配がありません。入力・保管はずっと無料です。
借金が多いか少ないか分からないうちに、3か月が来そうです。
3か月が過ぎる前に、家庭裁判所へ「熟慮期間の伸長」を申し立てれば、調査の時間を延ばせる場合があります。まずは信用情報の開示請求で借入の全体像をつかみつつ、間に合わないと感じたら早めに専門家へご相談ください。
一部の相続人だけ相続放棄できますか?
相続放棄は、各相続人が単独で行えます。ほかの人の意向にかかわらず、あなただけが放棄することも可能です。一方、限定承認は相続人全員がそろって申し立てる必要があります。
放棄すると、次の順位の人に借金が移りますか?
はい。あなたが放棄すると相続権は次順位の相続人へ移り、その方が何もしなければ借金を引き継ぎます。借金がある場合は、次順位のご親族にも早めに連絡し、必要なら同じく放棄を検討してもらうことが大切です。
相続放棄をしたら、生命保険金も受け取れませんか?
受取人があなたに指定されている生命保険金は、受取人固有の財産なので、相続放棄をしても受け取れます。遺族年金も公的な給付なので受給できます。ただし保険金は税制上「みなし相続財産」として相続税の対象になることがあります。