放置された故人のSNSは、なりすましや思わぬ通知の原因にもなります。追悼アカウントへの切り替えや削除の方法は、サービスごとに大きく違います。この記事では、Facebook・Instagram・Google・Apple・X・LINEの死後の対応と、生前にしておくと家族が困らない設定を、各社の最新ヘルプに沿って整理します。
SNSやメールの「亡くなったあと」の扱いは、運営会社ごとに考え方が異なります。ページを残せる「追悼アカウント」にできるところもあれば、削除しかできないところもあります。まずは全体像をつかみましょう。
共通しているのは、死後に家族が申請する場合、死亡を確認できる書類(死亡診断書・死亡証明書、逝去日の情報など)の提出を求められることが多い点です。そして多くのサービスで、いちばん確実なのは「本人が生前に設定しておくこと」です。
Facebookは、亡くなった方のアカウントを「追悼アカウント」に切り替えられます。本人は生前に「追悼アカウント管理人(legacy contact)」を指定でき、日本でもこの機能が使えます。管理人は固定投稿の設定やプロフィール写真の変更、新しい友達リクエストへの対応ができますが、本人としてログインしたり、非公開のメッセージを読んだりはできません。追悼への切り替えの代わりに、「死後にアカウントを完全に削除する」と生前に選んでおくことも可能です。
Instagramも公式フォームから「追悼アカウント」への切り替えを申請できます。申請時には、故人の氏名・アカウント名、逝去日、死亡を確認できる書類(死亡記事やニュース記事のリンクなど)を求められます。アカウントそのものの削除を申請できるのは近親者に限られ、死亡診断書や出生証明書、委任状などの提出が必要になる場合があります。審査に数日〜数週間かかることもあります。
Googleには「アカウント無効化管理ツール(Inactive Account Manager)」があり、3・6・12・18か月ログインがない状態が続くと、あらかじめ指定した相手(最大10人)へ通知し、指定したデータを共有したり、アカウントを自動削除したりできます。生前に設定しておくのが最も確実で、設定がない場合でも、死後にご家族が書類を添えて申請すれば、アカウントの停止や一部データの開示を求められることがあります。
Appleには「デジタル遺産プログラム」があり、生前に「故人アカウント管理連絡先(Legacy Contact)」を最大5人まで指定できます。指定された人には「アクセスキー」が発行され、本人の死後にそのアクセスキーと死亡証明書(死亡届・除籍謄本など)を提出すると、写真・メッセージ・メモ・連絡先・端末のバックアップなどにアクセスできます。ただし、iCloudキーチェーン(保存されたパスワード)など一部はアクセス対象外です。
Xには追悼アカウントの仕組みがなく、対応は削除の依頼のみです。近親者がヘルプの専用フォームから連絡し、後日届く案内に沿って、申請者の身分証のコピーや故人の死亡証明書のコピーなどを提出します。投稿やメッセージの中身が家族に開示されることはありません。
LINEはプライバシー保護の方針が強く、アカウントの譲渡・相続・引き継ぎはできず、原則として削除の扱いになります。トーク履歴も、あとから第三者が取り出すことは基本的にできません。大切なやり取りを残したい場合は、生前・存命中に本人が「トーク履歴を送信」機能などでバックアップしておくしかありません。
多くのトラブルは、「本人しか知らないID・設定・希望」が家族に伝わっていないことから起きます。次の3つを済ませておくと安心です。
生前の設定がない場合は、各サービスの公式フォームから、追悼への切り替えまたは削除を申請します。多くの場合、申請者と故人の関係を示すもの、死亡を確認できる書類が必要です。必要書類・手順・審査期間はサービスごとに異なり、変更されることもあるため、必ず各サービスの公式ヘルプで最新を確認してください。
SNS・メールの死後対応でいちばん大切なのは、「どのアカウントがあって」「生前にどんな設定をして」「家族にどうしてほしいか」を、家族が確実にたどれるようにしておくことです。言守なら、各アカウントのID・追悼/削除の希望・生前設定の有無を、あなたの端末(スマホ)の中で暗号化して記録できます。サーバーに保存されるのは暗号文だけで、運営でさえ中身を読めません(ゼロ知識)。生前はあなただけが見られ、もしもの時にだけ、あなたが選んだご家族へ届きます。入力・保管はずっと無料です。
パスワードがわからなくても削除できますか?
多くのサービスでは、公式の申請フォームから、死亡を確認できる書類を添えて手続きできる場合があります。ただしサービスによって可否や必要書類が異なり、審査に時間がかかることもあります。
追悼アカウントとは何ですか?
故人のページを残しつつ、ログインや新規投稿を止めて、思い出を安全に保てる状態にする仕組みです。FacebookとInstagramで用意されています。X(旧Twitter)やLINEには追悼の仕組みはなく、原則として削除の扱いになります。
LINEのトーク履歴は家族が取り出せますか?
原則としてできません。LINEは引き継ぎや相続を認めておらず、死後の履歴の取り出しも基本的にできません。残したい場合は、存命中に本人がバックアップ(トーク履歴の送信など)をしておく必要があります。
どれから手を付ければよいですか?
まずは生前に、Google・Apple・Facebookの死後向け設定(無効化管理ツール/デジタル遺産プログラム/追悼アカウント管理人)を済ませ、IDの在りかと家族への希望を書き残しておくのが確実です。死後に対応する場合は、利用が多かったサービスから公式フォームで申請しましょう。